サーキット走行をするとなると、エンジンオイルの性能を重視した
エンジンオイル選びとなりますね。
もちろん、お財布と相談という面もありますが、最悪エンジンブロー
となったり、エンジンのパワーダウンにつながってしまうようでは
いけません。
普段付き合いがある、メンテナンスをお願いしているショップが
ある場合には、そのショップで扱っているオイルを使用するという
のがあるとは思いますが、そうで無い場合には、同じクルマ、
エンジンを同じようにサーキット走行で使っている仲間の評判を
踏まえつつエンジンオイルを選択することになりますよね。
サーキット走行に使うエンジンオイルにおいても、やはり
いくつかの銘柄を試してみることを個人的にはオススメします。
やはり、自分のクルマで使わないと分からないので。
交換直後からエンジンの様子、加速時のフィーリングや最高速度、
ラップタイムなどを記録しておき、その変化も記録しておきます。
サーキット走行においては、自分のドライビングなど、色々と
気を遣うことが多いので、エンジンオイルにばかり注意できない
とは思いますが、上記については普段から気にしていることでは
あると思うので、大きな問題は無いと思います。
それをデータとして記録しておくことは、後で大きな財産となります。
サーキット走行用のエンジンオイルについても、
amazonで購入できるものの中から紹介します。
付き合いのあるショップさんから購入する場合には、
購入経路やオイルの銘柄は気にする必要は無いので、
ここでは自分でオイルを選択して交換する場合を想定
しています。
今回紹介していないエンジンオイルについても、
amazonなり楽天で探してみると良いと思います。
目次
ワコーズ(wako’s)
個人的に、サーキット走行用として一番お世話になった
エンジンオイルメーカです。
その他、ケミカルでも重宝しますよね。
4CR
なんと言っても4CR。
個人的には、まずはこれという認識です。
もちろん全化学合成の「レーシングスペックオイル」を標榜。
「究極のローフリクション」を目指し開発したとされていますね。
レスポンス性能、耐荷重性、耐摩耗性、清浄性能のどれをとっても
最高レベルの性能を発揮すると謳っています。
ま、これがベスト!!ということでもなく、サーキット走行用として
良い選択肢の一つであるという認識です。
商品記号と粘度の対応を紹介しておきます。
・4CR-30:0W-30
※画像は1L缶ですが、リンク先は20Lペール缶です。
・4CR-60:10W-60
そうそう、粘度のラインナップもオイル選択における条件の一つと
なりますね。
SUNOCO
正直、自分で使ったことがあるのはレーシングカートでの話で、
クルマ用では使ったことが無いのですが、
ベストカーWebの記事でツチヤエンジニアリングのGT300車両に
市販品のBRILL(ブリル)を使っているというのを読み、
興味を持ったので調べて紹介することにしました。
2009年以降、市販品のBRILL(ブリル)を使っているそうです。
2019年についても、テクニカルスポンサーとして市販製品を
供給しているようです。
BRILL(ブリル)シリーズで共通するのは、独自のエステル技術の
ES-TECHで、複数の特殊エステルを最適化することでエンジン
内部の金属表面を持続的に保護、従来と比べ、より滑らかな
潤滑性を発揮。耐蒸発姓も強化し、厳しい条件になっている
オイルの蒸発を最小限に食い止めるのだそうです。
(詳細かつ具体的に理解するには難しい話ですが、キーワード
となりそうな単語は記憶しておいて、何かの時に深く理解したい
ですね、実際にエンジンオイルを使う上での話とリンクして)
コスト的に、ワコーズよりは敷居が低いというのが嬉しい点です。
BRILL 12.5W-40
BRILL 17.5W-50
BRILL 0W-20
ラインナップはコチラのSUNOCOの公式WEBを確認して下さい。
自分でエンジンオイルを混合して必要な粘度を得るための
粘度チャートをダウンロードできます。
GR TOYOTA GAZOO Racing
トヨタ車、特にGRシリーズに乗るドライバーには気になるのが
TOYOTA GAZOO Racing の MOTOR OIL でしょう。
「トヨタ純正 GRモーターオイル」
そう、「純正」としてラインナップされているのがスゴイですね。
GRガレージだけでなく、トヨタ販売店で購入可能です。
(全トヨタ販売店で店頭在庫があるのかは不明ですが)
amazonでも配送料無料で購入可能です。
定価より安いので、トヨタ販売店が定価販売なのであれば、
amazonで購入した方が安いということになりますね。
ラインナップは、
・Circuit 0W-20
・Touring 0W-30
となっています。
「Circuitで0W-20って大丈夫かぁ??」
って思いますよね?
トヨタに言わせると、
『「スポーツオイルは粘度を上げればいい」という定説を打破し、
他に類を見ない個性的なモーターオイルが完成。』
ということなのだそうです。
むむむぅ~。
サーキットで試したいな。
試す前に、トヨタによるGR MOTOR OILの謳い文句を調べて
おきましょう。
1.ニュルブルクリンク24時間レースで鍛えられたスポーツオイル
近年、トヨタではニュル24時間レースを
クルマや人を鍛える場
として活用しているようなので、エンジンオイルも鍛え上げたという
ことなのでしょう。
『市販車に近いレースカーによる世界一過酷なコースで行われる
耐久レース、ニュルブルクリンク24時間レース。
この過酷なレースによって鍛えられ、誕生したスポーツオイル、
それがGRモーターオイル。』
としています。
2.低粘度・低フリクション・スーパーハイレスポンス
市販車のエンジンオイルは、低粘度化が進んでおり、一昔前の
イメージが残っていると、とっても違和感がある粘度設定の
オイルばかりがラインナップされている昨今ではあります。
それがスポーツ、サーキットの領域にも広がっているようです。
少なくとも、トヨタにおいては。
『レーステクノロジーとこれまでの純正オイル開発で培った
ノウハウを融合。
「スポーツオイルは粘度を上げればいい」という定説を打破し、
他に類を見ない個性的なモーターオイルが完成。』
確かに、定説を打破していると言えますね。
なので、やはり自分のクルマで試して実感したいところです。
3.トヨタ純正ならではの高い信頼性
「純正なので大きな間違いは無いであろう」というのはありますよね。
とりあえず、純正なら問題は無かろう、と。
ただ、トヨタの純正オイルについてのWEBを観ていると、
積極的に純正オイルを選んでもらおうという姿勢が見て取れます。
ただ、実店舗でもそういうのが無いと「純正」を指名買いする
には至らないようにも思います。
『通常の純正オイルと同様の高速・高負荷連続耐久試験をクリアした、
GRモーターオイル。
トヨタ純正オイルとして、トヨタ車のエンジンのために特別に開発された
高品質・高信頼性オイルです。』
通常の純正エンジンオイルに求められるものはクリアしたうえで、
更に上を行く高品質・高信頼性を持たせているということなのでしょう。
具体的にどんなところで高品質や高信頼性を実現したと言えるのかを
知りたいですね。
4.「Circuit」と「Touring」の2タイプをラインアップ
『サーキットでのタイムアップや街乗り・ワインディングでの
レスポンスの違いを体感でき、走りの気持ち良さを実現した「Circuit」。
ストリート走行を重視し、ハイレスポンスと「しっとり感」のある
回転フィーリングを両立した「Touring」の2タイプをラインアップ。』
とのことですが、ビールで言うならキレとコクということでしょうか(謎)
メンテナンスサイクルが、
Circuit 0W-20:5000kmごとの交換を推奨
Touring 0W-30:取扱書記載のメンテサイクル(15千kmごと)
という差になっていることからも、Circuitはレスポンス重視なので
あろうと推察できます。
ただ、メンテナンスサイクルは、提示されたものより短距離で交換
することになりますよね、きっと。
サーキット走行する上での持ちの良さがどれくらいなのかも
気になりますね。
特に夏場のサーキット走行だと熱的に厳しい条件になるので、実用上の
ライフが気になります。
ベースオイルはグループ3の合成油(VHVI)です。
『フルエステルやフルPAOと総合的には同等の性能を持つ
ベースオイルを採用している』としています。
更に、GR MOTOR OILの良さを示すテストデータを見てみましょう。
1.最新ポリマー技術による高粘度指数化
他の商品と比較して、高粘度指数であるとしています。
『VI(粘度指数)の数値が大きいと、オイルの温度が変化しても
粘度が変わりにくいということを表します。』
その結果として、動粘度と油温の関係をグラフにすると
こうなります。
油温に対して動粘度の変化が穏やかで、低温時においても動粘度が
小さい、つまりは流動性が高い、そして高温になってもしっかりと
油膜を維持するオイルであるとしています。
そんなGR MOTOR OILを使うとどうなるか??
テストコースにて0-100km/h全開加速試験において・・・
通常純正0w-20に対してCircuit0W-20は加速タイムを0.24秒短縮
したという結果になっています。
車両は86GM SPORT/6AT。
エンジンオイルを換えただけで、となるとかなりの
効果があったと言えるでしょう。
GRモーターオイルのコンセプトは、
「既成概念にとらわれずに尖った商品を作ろう。」
「スーパーハイレスポンスでタイムの出るオイル」
ということなのだそうなので、それが結実していると
言えるのではないでしょうか。
『86ワンメイクレースや全日本ラリーやジムカーナに
参戦中のチームやドライバーたちの協力を得て、
練習走行枠で走り込んでもらい、タイム計測や
データロガーで油温や油圧の測定を行った。
さらに、走行後に抜いたオイルを成分分析にかける
ことにより、ハードに走り込んでもエンジンに
ダメージが及んでいないか入念に確認を行ってきたのである。』
というこで、しっかりと実戦の場に近い環境での評価・開発を
しっかりと行い、
『低粘度スポーツオイルに対する不安感を払拭すべく鍛え上げてきた。』
ということなので、自分のクルマで試してみる価値は大いにあると
言えるでしょう。
プロモーションの動画、チカラ入ってますよ。
Circuit 0W-20
サーキット走行なら、Circuit 0W-20ですね。
上で紹介している適合車種を確認のうえ、ご使用くださいね。
定価よりも安価で、送料無料なので、実店舗で定価購入するくらいなら、
amazonの方が圧倒的にお得です。
実店舗でオイル交換を依頼するなら、そちらで購入するなり、
可能なら持ち込みですね。
(ディーラーだと購入することになるでしょうし、カー用品店でも
イエローハットのような持ち込みが可というのは多くは無いのが
実情です)
◆20L缶
高頻度で交換するとか、仲間内で共同購入するなら20L缶は
コスパが更に良好ですね。
Touring 0W-30
MOTUL
MOTUL(以下モチュール)と言えば、GT500のレースにおいて
ニッサンGT-Rニスモのスポンサーとしてニスモをサポート
する存在として、個人的に強く印象にあります。
23号車ということで、ニッサンのエース車両をサポートしている
のですから、印象強いものがあります。
2018年は、大不振と言ってよいシーズンだったと思いますが、
2019年はニッサンが大暴れするのでしょうか?
(日産という会社自体が話題に事欠かないですが、レースにおいては
白熱したバトルで話題となって欲しいものです)
そして、エンジンオイルとしての性能もモチュールと言えば
クルマ、バイクのどちらにおいても
「高性能、財布の都合が許せば使いたいっ!!」
という存在であります。
ま、
「良いものは、それなりのプライスがつく」
ということですね。
エンジンにより良い状態でチカラを思う存分発揮してもらう
ためには、相応のコストをかけることが必要である、と。
実際、あちこちのレビューを見て回っても、コストかかるけど
エンジンのために・・・ということで使っているユーザーさんが
多いようですね。
同様の存在としてNUTECを双璧をなすとしているレビューも
ありました。
さて、本記事はamazonで購入できるものを紹介しているのですが、
豊富なMOTULのラインナップの中でamazonにて購入可能なのは
300V LEMANS 20W60
のみということになっています。
商品のラインナップとしては、2L、20L、60Lとあるのですが、
amazonで販売されているのは、2L、20Lということになっています。
(それぞれ、別店舗さんのようです)
では、300V LEMANS 20W60の概要を紹介しましょう。
100%化学合成で、API SM相当。
MOTUL 300V シリーズの中で最も優れた油膜保持性能を発揮する。
耐久性重視のレーシングスペックエンジンオイルとして、密封性や油膜、
油圧保持性能を最も必要とする状況下で高性能を発揮する。
300V LEMANS 20W60
流石に、それだけだと寂しいので、楽天で購入可能な
300V COMPETITION 15W50も紹介しておきます。
300V COMPETITION 15W50
MOTULは、値段が値段なだけに、少しでも安く購入したいところですが、
お馴染みのショップで購入して繋がりを強化するというのも良いですよね。
オイルについて色々と相談できるショップさんで購入し、良いお付き合いを
していくというのもエンジン、クルマを元氣にするには必要ですし。
NUTEC
NUTECもモチュール同様、高性能なエンジンオイルとして名を馳せる存在ですね。
驚きなのが、「Amazon定期おトク便」で5%更にお得に購入可能と
なっていたりすることです!!
他のエンジンオイルでも、Amazon定期おトク便で購入可能なものは
あったりしますが、NUTECで!!というのが個人的にはビックリです。
NUTECに決めている場合で、特に決まった付き合いのあるショップさんが
あるというわけでは無いというのであれば、Amazon定期おトク便で
購入可能な商品を使っている場合には、検討する価値が大有りですね。
「NUTEC オイルは、独自の発想と高度な精製技術により開発された
高性能オイルであり、高出力、省燃費、低公害が実現できます」
と謳われており、性能一辺倒では無いとこをが印象的です。
とは言いながらも、
「エステルを主成分にした全合成処方のエンジン油」であるとしており、
「摩擦係数はテフロンと同等の性能を有し、耐熱性はより高い性能を確保」
しているとしています。
ま、高性能なのは言うまでも無いと言ったところなのでしょうか。
NC-50/NC-51 ESTER RACING
『幅広いフィールドで違いのわかるエンジンオイル』
◆NC-50 ESTER RACING
「NC-41(10W50)をベースに、ベースオイルのフォーミュレーションを
工夫し、NC41の性能を維持しながら、よりご使用いただき易い価格を
実現させたエンジンオイル」
「エステル成分や、潤滑性、耐熱性、高温安定性等を確保する為の高機能素材は
NC-41と同等の配合率」であるということなので、NC41を使いたいけど、
コスト的に厳しいということで諦めていた、という場合には
NC50を検討してみると良いですね。
NC-50は、1L、20L、50Lという荷姿がラインナップされています。
NC-51は、1L、20Lという荷姿がラインナップされています。
定期的に購入するなら、「Amazon定期おトク便」で更にお得に!!
・NC-50 1L
◆NC-51 ESTER RACING
「NC-50 (10W50)をベースに、主成分はそのまま維持し、より低粘度化をはかり、
NAエンジン用のサーキット走行からハイスピード走行及び街乗りまでをフルに
カバーする高性能オイル」
NC-50が10W50で、それをベースに低粘度化を実現して0W30としたのが
NC-51ということになるようです。
・NC-51 1L 楽天
NUTECに関しては、価格同じでポイントが付くということになっており、
楽天の方が条件が良いので参考として紹介します。
・NC-51 20L 楽天
NUTECに関しては、価格同じでポイントが付くということになっており、
楽天の方が条件が良いので参考として紹介します。
NC-40/NC-41 ESTER RACING
『性能アップを体感する高性能エンジンオイル』
「レース用として開発しました!」とストレートに表現されています。
「通常レース用エンジンオイルは寿命が短いが、NUTEC OILは
ロングライフ化を図り、チューニング車両、一般車両用としても
使用出来るよう開発しました。」
ということなので、実際どれくらい使えるものなのかと言うと・・・。
「本来のオイル性能が発揮されるのは下記を目安」にするようにと
提示されています。
・実車走行:100km程度
・ベンチテスト:2,500~3000rpm/1時間 5%負荷程度
まず、「本来の」という部分がどれくらいのオイル性能なのかが
わかりませんが、新品オイルの状態に近い性能なのでしょうね、きっと。
100kmと言うと、1回のサーキット走行程度ですね。
ま、サーキット走行毎に現地でオイル交換しているという場合には
気にすることは無い数値と言えるかもしれません。
エンジンオイルの性能に頼り切ったエンジン仕様では無い場合も同様です。
また、ベンチテストについての数値は意味するところが全く分からず、
掲載するのは止めようかと思ったのですが、NUTECが出しているデータ
なので、掲載することとしました。
いずれにせよ、サーキット走行する場合で5千kmも使うことは無いと
思いますが、エンジンオイルの性能をフルに発揮してもらおうと
すると100km程度での交換が目安になるというのは頭に入れておく
と良いということになりますね。
オイル交換前後のフィーリング変化などに敏感になることが重要ですね。
NUTECのNC-40/NC-41紹介ページ下部に
「Usually, racing engine oils have a short life but NC-40 and NC-41,
althoughbeing race oils have been developed to have a long life,
for use by road going tuned cars and ordinary vehicles」
とやけにサラッと英語では書かれています。
日本語版と併せて考えると、チューニングカーでは5千km程度での
オイル交換を目安とし、サーキットでキッチリと本来のエンジンオイル
性能を発揮させようとすると100km程度、ということになるのでしょうか。
ま、オイル容量だったり、そもそも外気温なりエンジンオイル温度を
どれくらいの領域で使うかによっても大きく変わるでしょうから、
参考データということですね。
NUTECは荷姿が1Lのものがあるということもあり、
必要な粘度範囲を自分でブレンドして作り出す、
ということがやりやすいですね。
実際、レビューを見ていても、そういった書き込みを
目にします。
サーキット走行で高負荷な走行をする場合には、
検討したいオイルの1つと言えるでしょう。
荷姿が1Lの場合、スチール缶では無く「Eco Pack」を採用しているのが
ミソです。
・リサイクルが可能で、環境に優しい容器です。
・使用済みのパックは小さく折りたたんで、一般ゴミとして廃棄可能。
・スティール缶に比べ60%の軽量化
[130g/スティール缶に対し、50g/紙パック]
・容器の潰れ等の変形が殆ど無く、容器の錆が付き難く取り扱いが容易。
などとしています。
紙パックのオイル容器というのは稀有な存在で、環境問題がクローズアップ
される昨今の状況において、非常に良い取り組みですね。
どんな容器であるにせよ、後始末は各ユーザーの責任なので、
使用後の容器の後始末は、しっかりと取り組みましょう!!
サーキット走行する場合には、エンジンオイルやブレーキパッド、
タイヤなどをサーキット走行用に交換するなど、色々と準備することが
多いと思います。
準備をぬかりなくきっとりと行い、元氣にクラッシュなく走行して
楽しく充実した時間を過ごしたいですね。